今回は【時間栄養学】について紹介させていただきます。この学問は比較的新しい分野ですが、人の体内時計などの身体の仕組みに基づき効果的な食事や生活について学べます。
時間栄養学を日常に取り入れると痩せやすく健康的な身体になるのでダイエットや健康を気にされている方におすすめです。
時間栄養学の基礎:体内時計について
海外旅行に行った際や休みの日に昼夜逆転の生活になってしまった影響で「体内時計が狂った」と言われますが体内時計とは何でしょうか?
体内時計を管理しているのは脳である
体内時計を管理しているのは脳内にある視交叉上核という部位が鍵を握っています。この視交叉上核のはたらきは何かと言いますと、目から入ってきた光の刺激を受けホルモンの分泌による体内時計の調整や臓器の体内時計をリセットするのです。
しかし、なぜ毎日リセットする必要があるのでしょうか?それは人間の体内時計が1日24時間ではないからです。実は人の体内時計は1日24.5時間で動いているです。そのため日光を浴びずに屋内にこもっていると毎日30分ずつ体内時計が後ろにズレていくのです。
この光による体内時計のリセットが悪い方向にはたらいているのがパソコンやスマホのブルーライトなのです。日中は問題ないのですが(むしろ集中力を上げる)夜に浴びると体内時計が朝に巻き戻されてしまい夜の時間に寝にくくなってしまうのです。
もう1つの体内時計のリセット方法
実はもう1つ体内時計をリセットする方法がございます。それは光を浴びる同様に朝に行う事ですが何でしょうか?
それは(朝食・第1食)です。食事による刺激やエネルギーの補充により各臓器の体内時計がリセットされ1日の活動が始まるのです。私生活で感じやすい物としては食後の便意は普段同じ時間帯ではないでしょうか。
そんな朝食ですが摂る栄養素によって効果が変わってしまうので効果的な朝食についてこの後紹介させていただきます。
体内時計が乱れるデメリット
そんな体内時計ですが、乱れると大きなデメリットがございます。特に乱れやすいのが夜勤などのあるシフトワークを日常的に行っている方だと思います。
そのシフトワークの方を対象にした調査で判明したデメリットを紹介させていただきます。
同じ食事量でも太りやすくなる
体内時計が乱れることによって遺伝子が正常に機能しなくなってしまい同じ食事量でも太りやすくなってしまうのです。また、寝不足などになると食欲を増大させるグレリンというホルモンが分泌され余計太りやすくなります。
癌になる確率が上がる(排気ガスや紫外線による影響と同レベル)
国立がん研究機関などの調査でシフトワークによる身体への悪影響は排気ガスや紫外線と同レベルとの指標が出されました。他の調査でも男性は前立腺がん・女性は乳がんや子宮頸がんのリスクが上がるという結果が出ております。
これらのリスクは日勤の方の3倍でかつ夜勤だけの人の1.6倍にもなるのです。
記憶力や認知能力の低下
体内時計が最も乱れやすい仕事として国際線のCAさんを調査した研究の結果、長年勤めている方ほど脳機能が低下していたという結果が出ました。原因としてストレスがかかる影響で海馬が萎縮し脳内の他の場所へ悪影響を及ぼすのです。
体内時計を整える食事とは
それでは体内時計を整えるための行動の一つである食事について何がベストなのでしょうか。
朝食で高GIの炭水化物+タンパク質
ベストな食事は朝食で高GIの炭水化物(小麦や米)+タンパク質(特にマグロ・ツナ)です。注意していただきたいのが炭水化物だけ・タンパク質だけでは効果が無く、両方摂る事が重要です。この組み合わせが体内時計をリセットするにあたって最も強力なのです。
朝食は一日のエネルギーになるため脂肪になりにくくなります。なので夕食を減らし朝食を増やすと太りにくくなるためダイエットとして取り入れるのもおすすめです。
また、人は1日に一定のタンパク質を摂取することによって食欲が抑えられる性質があるため朝にタンパク質を十分に摂ることで食事量自体が減る効果も期待できます。
海外旅行の時差ボケを時間栄養学で対処する
楽しい海外旅行でネックなのが「時差ボケ」だと思います。筆者もヨーロッパに行った際は時差ボケが酷く大変な思いをしたことがあります。
そんな時差ボケを時間栄養学の知見で対応することが出来ます。
その方法は、現地の時間に合わせて食事を摂るという事です。旅行の数日前から生活に支障の無い範囲で現地の朝食時間に合わせて食事を摂るようにします。注意点は下記の通りです。
①1日最大2時間ずつずらす
②出来れば現地の深夜の寝ているであろう時間は食事しない
③機内食も現地の深夜時間は食べずに朝食の時間で取る
これらを行うことによって海外旅行を最大限に楽しむことが出来るはずです。
時間栄養学おすすめの本
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まとめ
以上、時間栄養学に基づく食事について紹介させていただきました。同じ食事でも時間や生活習慣によって太りやすくなってしまったりするのは意外でした。
規則正しい生活で健康に過ごしましょう。ここまで読んでいただきありがとうございました。