今回は、子育てについてお話させていただきたいと思います。昨今の子育てでは、「早期教育」「知育」など子供の能力向上を図るために様々な商品や塾が溢れています。しかし、いくら基礎能力を鍛えたからと言って将来グレテしまったりメンタルが不安定になってしまったら元も子もありません。

 そんな訳で今回は、子供の能力を最大限に生かしてグレずにメンタルもある安定した人間に育てるための方法をお話しさせていただきます。

早期教育は意味がない

 現在、様々な早期教育ブームとなっており「英語」や「スポーツ」「音楽」「数学」などが行われています。しかしこれに関して行われた研究で、早期教育は「小学生の時期は、優位だが中学以降は差がほとんど無くなる」という結果が出ております。また、幼い時期から学習によって友達との遊ぶ時間や自由に過ごす時間が無い事にストレスなどが影響し逆効果になるのではないかという話もあります。

早期教育でも能力は大きくは変わらない

 「天才ピアノ少女」「天才数学少年」「天才スポーツ少年」とテレビなどで取り上げられ、そういう子供たちは小さいころからその分野に熱意を注いで才能を発揮しており。それを単純に解釈し、「うちの子も小さい頃から○○をすれば天才になれる」と勘違いしている人がいると思います。そのような本物の天才との違いを2つ紹介させていただきます。

  1. 能力は基本的には産まれた時点で決まる
     基本的に人の能力(IQなど)は幼少期はある程度上げることはできますが、9割近くは遺伝によるものなので上げることは非常に難しいです。身長なども遺伝によるものなので両親を大きく超えるようなことはまずないと思います。このように、天才少年少女は早期教育により才能を発揮したのではなく元々能力が高いから天才となっているのです。
  2. 天才たちは、親に言われず強制されず自らの意思で行っている
     もう一つの事実として、幼少期から才能を発揮している少年少女の特徴として「自らの意思で行っている」という事です。これは、当たり前ですが皆さん自身も子供のころ親から「勉強しなさい」と言われたことがあるのではないでしょうか、強制をしやらされて取り組んだことに熱意を持て取り組めるでしょうか。たぶん嫌いになりその内辞めてしまうのではないでしょうか。
     実際に天才を産み出した親御さんたちは基本本人の自主性に任せて興味を持っている事をやらせてサポートに徹しております。
    それが本人の能力が一番発揮できると知っているのです。

失敗しない子育ての方法 5選

 子供の将来の可能性を広げる方法は、以外にも簡単で今からできるものもあります。これから紹介させていただきます方法でやりやすいことからやってみてはいかがでしょうか。

会話・スキンシップ

 最初に紹介するのは会話・スキンシップです。これは最も実施しやすい事ですが、最も効果が高い事です。「会話」「接触」それぞれのメリットをお伝えします。

会話・・・親子の会話量が多い家庭ほど、子どもの言語能力が高くなる

 家庭内の会話量と子どもの言語能力を調べた研究で「親子の会話量が多い家庭ほど、子どもの言語能力が高くなる」という結果が確認されました。この言語能力というのが子どもの将来のために必要な能力で、メンタルの安定性や知能の向上そして良好な人間関係にも影響するのです。
 会話の内容については研究で言及されていなかったですが、私がおすすめするのは子どもに対して「どう思う?」や「これって何?」など質問をして本人に考えて意見を言うような会話がベストです。これにより子供の考える力や発想力が鍛えられますし、自分の意見や話を聞いてくれると思うことによって自己肯定感も育めます。

 余談ですが、世間では女の子は言葉を覚えるのが早いと言われていますが。実はこれについて1つの説があります。それは、女の子の子どもや赤ちゃんには大人がたくさん話しかける傾向があるという事です。人にはバイアスという思い込みがあり、「女の子=よく話す」という無意識な考えになり大人がより話しかけるそうです。
 それによって、女の子は男の子に比べて言語能力の発達が優位な傾向にあるという事です。

スキンシップ・・・自制心、社会性、好奇心、ストレスへの耐性が向上し攻撃性の低下

 スキンシップというのは、頭をなでたり・手を握ったり・抱きしめたりすることです。これはラットの実験ですが、母親と子供のスキンシップを実験したところ、よくグルーミングされたラットには「自制心・健康度・社会性・好奇心・ストレス耐性」の向上、そして「攻撃性」の低下が確認されました。
 人間とラットの脳構造は似ているのでこれは人間にも当てはまります。これは、脳内の海馬や前頭前野が発達しこれが上記の効果を促したと考えられます。

努力・過程・工夫を褒める(成長マインドセット)

 褒めることは大切ですが、気を付けなければならないことがあります。それは「努力・過程・工夫」を褒めるという事です。逆に絶対にしてはいけないのは「才能・能力」を褒める事です。それぞれの影響は下記の通りです。

【努力・過程・工夫を褒める】
 努力や工夫を褒めてもらうことによって色んな事にチャレンジするようになる。他人の頑張りを認め         られる人間になり人間関係の問題を抱えにくくなる。物事に積極的に取り組むようになる。
 このようにチャレンジ精神と物事に対する努力をする精神を育むことによって将来にいい影響が与えられます。

【才能・能力を褒める】
 「頭いいね」「天才だね」など才能・能力を褒めるのやってしまいがちですがこの褒め方は最悪です。この褒め方を行うことによって生まれてくるのは「ナルシスト」と「完璧主義者・失敗恐怖症」です。
 能力を褒められることによって子どもは「オレってすごいんだ!」や「失敗できない」と思うようになります。ここで彼等が行う行動は「確実にできる簡単な課題」か「何もしない(失敗もしない)」になってしまいます。これにより成長につながるチャレンジを行わなくなるため成長もせず自信過剰か失敗に怯えて何もできない人間になってしまうのです。 

環境を整える

 環境を整えるのはどういうことかと言いますと、「優れた人が多い環境に子供を送る」という事です。「友達を選びなさい」と親が言う場面をドラマや現実で見聞きしてあまりいい印象を受けないとは思いますが、実は正しい側面もあるのです。
 人というのは環境に左右されることは様々な研究で明らかになっており、「親しい人が太ると、3倍太りやすい」「周りが外交的だと外交的になる」など性格や行動への影響が大きいのです。近い話だと、初めて旅行する国の文化など何をすればいいか分かない状況で周りの人の動きを見て真似ると思いますが、その行動が親しい人においては大きく影響するのです。

 そのため、無理のない範囲で子供には良い友人や仲間ができやすい学校や習い事などを行けるようにサポートをし環境を整えてあげましょう。

運動

 コロナ禍で運動のメリットが再注目されていますが、運動は早く始めれば始めるほど良いです。運動のメリットは凄まじく「記憶力・集中力・自制心・メンタル・創造力」を向上させる効果が証明されています。また、18歳時点で心肺機能が高い人ほど将来成功(収入・地位)する傾向にあるという結果もあります。

 大人になってももちろんメリットはありますが、身体の成長期である子どもの時期から基礎を作ることによって効果はより大きいものになります。部活動や習い事で運動をおすすめしてみてはいかがでしょうか。

慢性的ストレスを与えない

 アダルトチルドレンとも言われるこの慢性的ストレスを与える事ですがこれは通常の暴力や暴言などの虐待のみならず夫婦喧嘩の絶えない家庭(海外では子供の前での夫婦喧嘩は虐待)、貧困などの金銭面でのストレス、アルコールや薬物中毒の親などです。

まとめ

 以上、失敗しない子育てについて書かせていただきました。私の幼少期を振り返ると、最後の「慢性的ストレス」がイマイチでした・・・。しかし変えられない過去を悔やんでも仕方ないので、これからの子ども達の為に自身の経験を活かしてより良い人生を歩んでくれたらと思います。
 ここまで読んでいただきありがとうございます。