元現場監督の筆者が現在「現場監督辞めたい」「現場監督を続けていて良いかな」と考えている方に向けて、転職するか思い留まった方が良いかの決断の手助けになればと思い双方の方向性を紹介させていただきます。

 筆者は会社に現場監督を辞めたい意志を3回ほど伝えた事があり、その結果2回ほど思いとどまりましたが最終的には転職をしました。思いとどまった理由と、転職の際に知った現場監督の経験が生かせる業務を紹介させていただきます。

筆者が辞めたいと思った理由 3つ

とにかく労働時間が長い

 現場監督の仕事は、とにかく労働時間が長いです。残業が当たり前で(現場が終わってからの業務が多い)明るい時間に帰宅したことはありませんでした。
 最も過酷な現場では残業200時間/月超える事もあり、月平均150時間/月を1年間続ける事もありました。その中で、何度か心身共に病んでしまいそうになったため「若いうちは何とかなるが将来家庭を持ってから心身を壊してしまったら家族に迷惑をかけてしまうのではないか」と思い将来を考えて辞めたいと思いました。

休みが少ない

 そもそも土曜日、祝日が現場稼働するのが当たり前の業界なので週1回の休みは当たり前です。工期が無い時は日曜日すら休めずに1ヶ月仕事なんてこともありました。(違法です)
 また、一番堪えたのが楽しみにしていたお盆休みが1カ月前になくなってしまい予定がすべてくるってしまい色んな人に迷惑をかけてしまいました。今話題のワークライフバランスが期待できない環境でした。

上司を見て不安になった

 現場監督を続けていくと昇進していき主任や工事長そして所長となっていきますが、様々な現場でその上司を見ていく中でほとんどの方が自分の身体や家族そして時間を犠牲にして働いており中にはノイローゼになっても働かざる負えない方もいました。
 そんな上司たちを見て「頑張って昇進しても未来は暗いな・・・」と感じました。そのため続けるモチベーションが無くなってしまい辞めたいと思いました。

現場監督の経験が生きる転職先

 現場監督の経験が生かせる仕事を紹介させていただきます。これは、転職活動の中で、転職エージェントの方とのやり取りや会社情報を収集していく中で知ることが出来ました。

施工図作成会社

 まずは、施工図を作成する会社です。この業務は、CADを扱うことができ建築の知識があると有利な仕事です。また、比較的に残業時間が少なく休みもしっかり取ることが出来ます。
 CADのスキルアップも可能なので、建設業関係者にはおすすめです。

派遣現場監督

 現場監督でも派遣としての監督もあります。大手ゼネコンではよく配属されていますが、基本的に残業はほとんど無くあっても社員の現場監督よりは少ないというのが特徴です。
 現在、派遣の現場監督も需要が高く現場監督経験者であれば良い条件で転職できる可能性も高いので候補に入れさせていただきました。

 また、配属先の現場環境が悪い場合は派遣会社に依頼すると変更できる可能性もあるため派遣元の人に問題がある場合の対策が行い易いのも特徴です。 

ビルメンテナンス

 労働時間の短縮の面でかつある程度の収入も望めるのが、ビルメンテナンスです。この仕事では建物の修繕関係にも関わるため、施工管理技士の資格を持つ人を優遇してくれる可能性が高いので持っている方はおすすめです。

 ただ、夜勤があるため稼ぎたい人にはいいかもしれないですが筆者の様に体質に合わない人もいるのでご注意ください。

メーカー

 最後は筆者が選択した「メーカー」です。メーカーといっても建設業に少しだけ関っている会社が入社しやすく建設業に馴染みのある人間が少ない為重宝されます。私の会社も何千人規模の会社ですが、建設業経験者何人かしかいないため強みである建設業の経験が生かせるのです。

 また、メーカーは福利厚生が整っている可能性も高いのでホワイト企業にこだわる方は候補に入れてみてはいかがでしょうか。

思いとどまった時の理由

 最初に書かせていただきましたように筆者は2回ほど転職を思いとどまった過去があります。その理由も紹介させていただきますので今の会社でやっていきたい方は参考にしていただければと思います。

今までのリソースが無くなる

 転職してしまうと、今の会社でのリソースが無くなる可能性もあるので余程ブラックな会社ではない限り部署を異動するなどをしてもらい会社に残るという選択もあります。
 

働き方改革に期待

 近年働きすぎで有名な日本では「働き方改革」が推進されています。そして、ブラック企業が避けられる風潮の中で業界自体がブラックもしくは漆黒である建設業も重い腰を動かしております。
 例えばDX化によって作業効率を上げて残業を減らす努力をしたり、大手では土曜日閉所と言って現場自体を休みにする。(建設現場は日曜日以外は仕事があります)など取り組んでおります。
 世間では週休3日なども話題に上がる中、週休2に取り組むのは遅れている感時は致しますが少しずつ改善はしていると思います。

 そのため、長期的かつ大手にいる場合は未来に期待をしてみるという考えもあります。しかし、他人頼りなので筆者はイマイチかなと思います。

転職の際の注意点

収入の減少

 晴れて転職または部署異動をした際のデメリットを伝えますと「収入が減少すること」です。転職先によってはある程度減少を抑えられる可能性もありますが、基本的に残業が減るため残業代が多かった人ほどギャップに苦労することになります。

 筆者も覚悟はしていたのですが、2点苦しい事がありました。「1つ目が収入が2/3になった」こと「2つ目が税金で手取りの大幅な減少」です。
 特に2つ目の税金による手取りの大幅な減少は苦しかったです。支給額から差し引かれる控除額の内、住民税があります。これが厄介で、前年度の年収によって金額が決まるため転職先で給与額が下がっても控除額は変わらないためただでさえ下がった給与額から他の人より多くの税金が引かれるのです。
 筆者の場合、2万円以上多く控除されていたので住民税が更新されるまで辛かったです。

現場監督でも残業が少ないからと言う甘い誘いがある会社

 私の転職の際に、「現場監督でも残業が少ないから・・・」と言われ何件か紹介されたのですが結論としてそんなものはないと言っても過言ではないです。実際に受けてみた会社(某大手)でも蓋を開けてみればみなし残業が法廷ギリギリで設定されていたり、社員の口コミで残業だらけだったりと募集時の情報と異なる現実がありました。

 残業の少ない現場監督も実際は存在しますが可能性が少なすぎます。あとは、仕事の能力が低い為仕事を振られずに暇で残業が無いという悲しいパターンの人も実際に見たことがあります。(そういう人は意外に気づいていない)

 低い可能性に賭けるのは無謀だと筆者は思うので書かせていただきます。

まとめ

 以上、筆者の経験をもとに現場監督として続けるか悩んでいる方向けに書かせていただきました。一度の人生なので仕事に大切な時間を取られすぎないようにご自身の人生に向き合ってみてはいかがでしょうか。

 ここまで読んでいただきありがとうございました。