今回はお金の心理学について紹介させていただきます。お金は現代人にとっては切っても切れない存在で生きていくためには必要不可欠です。しかし日本は「失われた30年」と言われるように給料が上がらずに、控除額だけが上がっている現状があります。
 また日本でも現金からキャッシュレスに変わったりと環境が変化しております。そんなお金は想像以上に人への影響を与えているのです。

 という訳で、お金に関わる心理学から最後にはお金で幸せになる最も良い方法をご紹介させていただきます。


脳はお金を道具だと思っている

 皆さんはにとってお金はどんな存在でしょうか。「権力の象徴・富の象徴・成功の証」など考えているでしょうか、そもそもお金と言うのは人類700万年の歴史の中で比較的最近出来た考えであり約5000年前からあると考えられています。

 そんなお金は脳内でどのように認識されているのかというと、実はペンやナイフなどと同じ部位がはたらいているのです。要は脳はお金を道具として認識しています。
 実際お金と言うのは、可能性(買物・食事・娯楽)を広げるための道具なのです。

キャッシュレスで貧乏になる人の心理

 先に言いますが、決してキャッシュレスを否定しているわけではございません。むしろ現金が早くなくなって欲しいと思っている側なのですが、この心理に気を付けない限りどんどん貧乏になってしまうため注意してください。

 海外の実験で、チケットを売る際に金額を被験者が決められるという仕組みで販売しました。その結果平均購入額が下記の様に別れました

・現金    ・・・28ドル
・キャッシュレス・・・60ドル

 なんと倍以上、キャッシュレスの場合支払うのです。また、キャッシュレスを使用している人の方が債務が3倍多いという調査もございます。
 なぜ、キャッシュレスの方が多く支払い債務が多いのかと言うと「お金が減る痛み、実感が無い」からです。現金の場合は財布から現金を出し目に見えてお金が無くなります。しかしキャッシュレスでは一見何の変化もない為、お金が減っている感覚が薄いのです。

 この心理には対策があり、「支払いの際に現金で払うイメージをする」「支払う金額を稼ぐにはどのぐらい時間が必要か」「この金額があれば何が買えるか」を考える事です。
 そうする事によって「現金であればこのくらいの金額しか出さないな・・・」「この金額を稼ぐには、1週間かかるな・・・」「この額だったら、旅行に行けるな・・・」など一息ついて客観的に考える事ができます。

人間は損を極端に嫌う生き物:プロスペクト理論

 プロスペクト理論とは、ノーベル経済学賞を受賞した行動経済学者ダニエル・カーネマン氏とエイモス・トベルスキー氏が発表した理論です。
 その中の考え方で、人は損を極端に嫌う性質があるのです。

 例えばですが、賭けをする際にコイントスで表が出れば1万円・裏が出れば1万円と言うのもがあった際にどちらも期待値は同じなのですが心理的に損傷に気が向きこの賭けには乗りたくないはずです。
 筆者含めそもそも賭け事が嫌い・苦手と言う人もいると思います。

 またサンクコストと言う心理もあり、これは今までのコストがあるためにズルズルと引きずってしまうというものがあります。例えば、「株式投資で10万円で買った株が3万に値下がりしたけど手放せない」や「パートナーがどうしようもない人間だけど、5年も付き合ったから・・」などで過去のコストを切り捨てられないのです。

高いからいい物?安かろう悪かろう?

 続いては、「高い物=いい物」と感じるです。基本的には間違っていないのですが、正しくないことも世の中にはたくさんございます。
 この考え方に関する実験では、同じ成分の薬をAとBのグループの被験者へ投与するのですがその際に「グループAへは高い値段の薬である」こと「グループBへはリーズナブルな薬であること」を伝えました。その後に薬の効き具合を自己申告してもらったところ高いと教えられていたグループAの方が効果を高く実感していたのです。

 あと日常生活でよくあることが、「ブランドものだから良い物」と言う考え方です。例えば、100万円のカバンと1万円のカバンがあったとします。100万のカバンは1万円のカバンに比べて性能や機能や寿命が100倍の価格がつけられるほどの価値があるかと言われるとそこまではないと思います。
 逆に1万円のカバンの方が上ということもあり得ます。このように性能や機能的について調べたりしない場合、実際の価値以上の買い物で損をしてしまうことになってしまいます。

 この対策として「買いたいものと同じ性能や機能があるものが他ではいくらで売られているか」や、「この商品は他に比べて2倍の価格だがその価値はあるのだろうか」などを問いかけるようにしましょう。


インセンティブの罠

 昨今注目されているインセンティブについてお話しさせていただきます。これは歩合制にも似ており、成果報酬と言われるものです。アメリカや外資系企業でよく取り入れられており有能な人にとっては良いシステムで、会社としても社員の行動を促すシステムとして取り入れられております。実際、自分の仕事の成果がフィードバックされるのでやる気にもつながります。

 しかし、このインセンティブにも落とし穴がありこれから紹介する要素が無い場合はむしろ逆効果になることもあるので注意ください。

 インセンティブの効果を高めるポイント

①行動が具体的で行う事が明確であること
②内発的動機が望ましい(自らの意志で行う、自分で自分をコントロール)
③楽しさを感じにくい事(片付けなど)

 これらの要素が入っている場合インセンティブの効果は期待できます。逆に「やることが分からないのに結果をだせと言われる」や「自分でコントロールできない事に関するインセンティブ」や「みんなが進んで勝手にやること」にインセンティブを採用した場合は逆に社員のモチベーションを下げる結果になります。

宝くじ高額当選者は不幸になる

  「宝くじで3億あたったら・・・」なんて想像は誰もが一回はしたことがあるのではないでしょうか、例えば仕事を辞めようとか豪華な家や良い車を買おうなんて考えたり幸せな人生になると思うのではないでしょうか。

 ところが、宝くじの高額当選者を調査した結果ほとんどの人が当選前よりも不幸になり自己破産する程不幸になる人もいるのです。理由は多くありますが、心理学的なものを紹介させていただきます。

 その現象は快楽順応と言うものです、この現象は「一つの出来事に対する感情は一時的であり、いずれはニュートラルな状態に戻る」と言う事です。もっと簡単に言いますと「幸福感は長続きしない」です。
 当選した時をピークに高額を所有する状態に慣れてしまい、当たり前になってしまうがために幸福感が減ってしまいます。また、この現象のさらなる悪い作用が、幸福感を感じる基準が高くなってしまうのです。
 当選前では、些細な日常のことでも幸せを感じていたとしても、高額当選によって豪勢な生活を送ることによって幸せの基準が上がるがために幸せを感じる事が少なくなり「幸せを感じない⇒散財⇒幸せに慣れる⇒散財⇒お金が尽きる」と言う最悪のループに陥るのです。

 では、なぜ経営者や自営業で稼いでいる人がお金持ちなのに幸せなのかと言うとある理由が見えてきます。それは「自分の力で資産を築いてきた為、また稼げる可能性が高い」です。これはそのままで、宝くじ高額当選者は自分の力で稼いだわけではないので資産形成に再現性が無ために減る一方ですが、自分の力で稼いだ人は稼ぐノウハウや人脈そして経験があるため何かの原因で資産が減ってもまた稼げる可能性が高いからです。
 あとは、本当のお金持ち程質素に生きているためそもそもお金に困ることが無く最低限の支出で幸せを感じる生き方をしているのです。 

不幸になるお金の使い方・幸せになるお金の使い方

 最後に同じ金額でも「不幸になるお金の使い方」と「幸せになるお金の使い方」を紹介させていただきます。
皆さんが実際に大金を手にしたときは何をしますか?イメージしにくい方は、普段ボーナスが入った際にどうしているかを考えてください。例えば、「ずっと欲しかったブランド物を買う」や「家族と旅行する」「全額貯金」と言う人もいるでしょう。

 それでは幸福度に関わるお金の使い方ですが下記の様になります。

 幸福度 お金の使い方
高い自由、家族、時間、人間関係、経験
低い地位、権力、優位性、承認欲求、同調

 上記の様になります。意識しないとほとんどの人は下のカテゴリーに属する使い方をしてしまいます。この幸福度が高い使い方と低い使い方の違いはというと「価値観の所在が内側にあるか外側にあるか」です。
 幸福度が高いお金の使い方は、価値観の所在が内側(自分)にあります。そのため、自分にとって本当に必要なことにお金を使うことにより幸福度が高まるのです。
 逆に幸福度が低いお金は、価値観の所在が外側にあるということで他人との比較による消費になっています。そのため、上には上がいるのでいくらお金を使っても世の中にはとんでもないお金持ちがいるので常に上と比較して満足する事のない生活になってしまうのです。


まとめ

 以上、お金で損をしない為の心理学について紹介させていただきました。
普段の生活の際に少しでも思い出して活用していただければと思います。そして皆さんの人生がより良くなることを祈っっております。ここまで読んでいただきありがとうございました。