ボルダリングを始めてから気になることとしてグレードがあります。日本では、ジムにもよりますが大体が下記の様に定めていることが多いです。
注意していただきたいのが上記の難易度はあくまで個々のクライミングジムでの難易度設定と言う事です。例えばクライミングジムAの1級はクライミングジムBでは3級くらいなんてこともあります。
基本的にどのクライミングでも同じくらいになってはいるのですが、関東でもグレード設定が甘い(やさしい)と言われているクライミングジムと辛い(難しい)と言われているクライミングジムの難易度の差は、筆者の主観では4グレード以上ありました。
そのため、場合によってはグレードがあまりあてにならないこともあるので気にする必要はあまりないと感じる事もありますが当然上のグレードを達成していきたいと思うものです。そのため今回は基本的なグレードにおける達成目安と、上のグレードへの挑戦する目安をお話しさせていただきます。
グレード達成目安(週3回の基準で首都圏地域の通常グレード)
まずは、グレードの達成基準をお話しさせていただきます。グレードの更新については良く行くホームジムとなっているボルダリングジムで確認するのが一番ブレが少ないのでおすすめです。
当然、通う頻度が少ないと上達が遅くなってしまうので上達の効率が最も見込る週3回を基準にさせていただきます。
8級~6級:最初の体験~2週間
まずは初級である8~6級です。このグレードは掴むホールドだけ指定されていて、足は自由で何を使ってもいいとしているクライミングジムも多いです。
初心者の方は最初にこのグレードでルールを学びながら体験します。難易度的はほとんどの人が体験の日もしくは数回通うだけで達成できます。
最初の壁 4級・5級:最初の体験~2ヶ月
ボルダリングを始めて最初の壁になる4級・5級ですが、かなり運動神経が良いもしくは何か運動を日常的にしている方だと初回で登れる事もあります。
しかし、筆者(柔道有段者)含め多くの方は頑張っても6級くらいで限界が来ます。このグレードになってくると当然手足が指定のホールドのみの使用となりさらにクライミング的な動きが必要となります。
また男女でも、パワーや身体の大きさによる差が出てきてしまうので人によっては時間がかかってしまいます。
クライミングに慣れてくる 3級:3カ月~半年以降
4級を達成した次の3級はさらに高い壁です。この辺になるとまずレンタルシューズではなく自分のクライミングシューズを買う必要があります。レンタルシューズと本物のクライミングシューズは性能が全く違うので少なくとも上達を目指す場合は購入をおすすめします。
ここのグレードになると初心者が初日で登れたのを見たことがありません。パワー、体幹、体力が総合的に必要になってくるのでここまでくるとボルダリングが趣味と言っても良いレベルです。
また、このグレードを登っている人が比較的に多いのでボルダリングジムで一緒に同じ課題を登る人が増えてきて楽しくなってくる頃です。
クライミングに本気になってくる 2級:半年~
上級者へあと一歩となるこのグレードではより一層のレベルが要求されます。筆者の場合は、2級に挑戦するたびに背筋が筋肉痛になっていました。
保持力や足のテクニック(ヒールやトゥー)は必須となり、このグレードから得意・苦手がはっきりと分かれてきて苦手なホールドや動きの対応が非常に苦しかったです。
上級者の仲間入り 1級:1年~
ここまでくると上級者と言っていいと思います。日常的にこのグレード登っている人はホームジムでも強い方に部類され体格もクライマー体系になり引き締まってきます。
小さいホールドやピンチ力が必要な課題も多くなり前腕が鍛えられ、前腕の太さの比率が人と違ってくるのもこの辺からかと思います。
センス・日常的な努力が必要 初段:2年~
クライマーの目標である段クライマーは非常に狭き門です。食事や日々のトレーニングに気を使って何とか達成する人が多く、多くの努力が必要になります。
ホームジムでも少ない割合になってくるので、周りから尊敬される人も多いと思います。
上位10%未満が達成できる 2段以上:個人差が大きい
ここまでくるとホームジムではトップクラスのクライマーです。日常的に食事に気を使い、クライミングにもストイックに向き合った人が何とか達成できる領域です。
体格も非常に絞られて、腹筋が割れている・体脂肪率1桁は当たり前です。ここまでくると玄人になってくるので人によっては逆に近寄りがたいかもしれませんね(笑)
グレード更新の方法・グレードをマスターしたと言える基準
グレード更新の方法
グレード更新の方法についてですが、個人的には2つのアプローチがあると思います。ちなみに筆者は後者にてグレードを更新しましたが、前者の方が断然おすすめです。
1つ目の目安は、「現在のグレードの課題を半分以上登れた場合」です。例えば、普段3級を登っている人はホームジムの3級が半分以上登れるようになったら2級に挑戦してみてもいいと思います。
人によっては全部の3級を登れないとやりたくないという人もいますが、課題によってはできる事もありますし半分以上登れたということはある程度の力は付いていると思うので挑戦してみてもいいと思います。
2つ目は筆者が行っていた「得意を極める」です。方法は単純で、自分の得意な傾斜の壁やホールドの課題を打ち込んでその分野の登りだけを極めると言う事です。
具体的に筆者はボルダリングを始めてから毎回スラブ垂壁だけを打ち込んでいました。理由は傾斜は疲れるからなのですが、その成果もあり都心では若干辛めとされているホームジムで初段を半年で達成し2段は10ヶ月で達成しました。(常連で唯一の完登)
しかし、デメリットがあり筆者は1年たっても強傾斜の4級で落ちてしまい2級が全く登れなかったのです・・・。その後半年かけて初めて強傾斜の2級を登れましたがギャップが激しくて大変でした。
なので、最初の「現在のグレードの課題を半分以上登れた場合」がおすすめです。
グレードをマスターしたと言える基準
続いては、グレードをマスターしたと言える基準についてです。これについては「フラッシュ・オンサイト」をコンスタントにできるかどうかです。「フラッシュ・オンサイト」については下記の通りです。
フラッシュ・・・初めて見る課題を1回で完登
オンサイト・・・人が登るのを見た上で自身は1回で完登る
基本的に1回で登れるグレードがマスターしているグレードとなります。普段の練習で何十回、何百回も挑戦して登れるのは非常に素晴らしい事です。
しかし、マスターしているとは言い難くあくまでグレード更新止まりとなってしまいます。
上達するための練習
最後に上達するための練習方法について紹介させていただきます。筆者も色んな方法を試しており今も継続中です。その中で、効果があったものを紹介させていただきます。
週3回をベースにトレーニング
これはクライマーでは広く知られている事ですが、上達には週3回がベストです。少なくても上達が鈍ってしまいますが、社会人は特にですが毎日や連登(連日登る)ことも怪我や疲労が溜りオーバートレーニングになってしまいます。
筆者も学生時代の部活の感覚で連登したこともありますが、日に日に落ちるパフォーマンス・指や肩そして肘などの関節が痛んでしまい続けることが出来ませんでした。
逆にレスト日を置いてトレーニングした方がパフォーマンスも高くなり個人的には2日レストが一番調子が良かったです。実際筋肉の超回復の理論では、広背筋などの大きい筋肉は48~72時間回復にかかると言われているのでその通りだと実感しております。
上達の基本サーキットトレーニング
上達の基本となるのがサーキットトレーニングです。ボルダリングでのサーキットトレーニングとは、自分の限界グレード-2くらいの課題を短いインターバルですべて登ることです。
体力や保持力などの基礎が鍛えられるので効率のいい上達には必須です。
仲間と登る
クライマー間ではセッションと呼ばれますが、同じ課題や練習を共に行なうパートナーがいる事によって上達が見込めます。誰かと一緒の課題を練習したり競ったりすると普段1人でやる以上の実力が出せたり、違った視点からのアドバイスによって登れるようになったりします。
筆者もセッションで登っているときが一番登れますし、会話をしながらできるので楽しくて好きです。
まとめ
以上、ボルダリングのグレードと上達するための方法をお話しさせていただきました。長々としておりますが、最も大切なのは「ボルダリングを楽しむ」ことです。
孔子の名言でも「努力するものは、楽しむ者には勝てない」とあるように日々の成長や仲間との関係を楽しみながらクライミングライフを過ごしましょう!